「切原くん」



が俺を呼んだ。

眉間に皺が刻まれ、いい加減泣き止んでよ。

わたしが泣かせたみたいじゃん、と罰が悪そうに呟いた。





だ。

が俺の話を聞いてくれた後にこんな気持ちになったから、きっと が関連してる。







そうか!



俺はただ単に姉ちゃんが結婚したことに腹立ってたんじゃねぇ。

俺に黙って結婚したのが腹が立ったんだ。

俺の存在が無視されたかのような気がして、ガキはすっこんでろって言われてるような気がして。

それが俺を苛立たせる原因だったんだ。

だから、俺の存在を無視せず、ガキ扱いしなかった にすっげぇ満たされたんだ。

あいつらが俺にしなかったことを、はしてくれたから。

満たされたから、他のことがどうでもよくなったんだ。







ってすげぇヤツかも。

本人も気づいてないのに、俺が何を望んでたか。

それをわかっててやったんだとしたら








ロボットじゃねぇ。

はきっとエスパーなんだ。










Back Top Next