雨 の 日 の 独 白 

5年前、わたしは、

わたしと父さんは事故に遭った。

わたしは思春期を迎えようとしていたにも関わらず、いつも優しい父さんが大好きで

確実にお父さんっ子だったと思う。

父さんはいつも仕事で忙しいから、毎日寂しさがつのり、父さんのたまの休みにそれが爆発する。

この日も父さんと一緒に出かけていた。






事故の原因は対向車の酒気帯運転。法定速度でその車はわたしたちの車に突っ込んできた。

わたしはその時、後部座席で寝ていたから当時のことを覚えていなぃ。

唯一覚えているのは、目が覚めたときに、わたしの身体に管がいっぱいささっていたことと、

わたし自身がガラスばりの部屋に入れられていたことだけ。







それから、はっきり意識が戻ったのは最初に目が覚めてから一週間後。

すでに事故発生から3ヶ月が経っていた。


そして意識が戻って、一般病棟に移る頃。

それと同時期に父さんが死んだことを知らされた。





いつまで経っても父さんがわたしの様子を見に来ないし、母さんも父さんのことを何も言わないから、

父さんもケガをして、まだ意識が戻っていないのかもしれない、わたしを刺激しないように気を使ってるってぐらいにしか思っていなかった。

死んだなんて思ってもみなかった。











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