反則だろ?

今更そんな笑い方してんじゃねぇよ。

なんでお前はそんなに人間ができてんだよ。

俺に嫌われてるってのに、それをあっさり受け入れてやがんだ。

クラスの人気者の俺に嫌われるってだけで、クラスでハブられるってのに。

なんでお前は、怖くないんだよ。

一人になるんだぞ?

なんで俺を嫌えるんだよ!












「お前、ズリィよ」










そんで。

俺のこと嫌いなくせに。

なんでそういう相手にも、寛容になれんだよ。

口では興味ねぇとか言ってんのに。

俺の話を聞こうとしてんだよ。

何がしたいんだよ。







「言葉を飲み込んでても,便みたいに消化してポイなんて出来ないんだから。言葉のゲロ吐くしかないのよ」








さらっと汚いこと言ってるし。

もう、わけわかんねぇよ。







でも。


の言ってることは正しい。

言葉は溜めれば溜めるだけ辛い。

飯は押し込むようにしないと入らない。

言葉が身体を支配して、思うように身体が動かない。

頭も言葉に洗脳されたように上手く働かない。

解決方法は、腹の中に渦巻いているものを吐き出すこと。

頭でわかっているけれども、弱さを吐き出すようでそんなことはしたくない。

それが誰であろうと。

先輩たちであろうと、弱さを見せるようなことはしたくない。

クラスのヤツなんか問題外。

変に慰められて、惨めになるだけだ。









信用していいのだろうか。

こいつは、は。

ただのクラスメートとは違う何かを感じる。

けれども、ついさっきまでツンツンして、イヤな感じのするお局さま系女じゃねぇか。

好き勝手言って本当は俺を陰で笑うつもりなんだろ?

「あんなこと」した俺をせせら笑うつもりなんだろ?

そうなんだろ?










でも、こいつは人を悪く言うことは無い。

さっきは面と向かって「興味ない」と言われたけれども、あいつが人を悪く言うような性格ではないと思う。

人に対して興味がないから、悪口なんて言っても無意味だし、大体が陰口を言う相手なんかいない。











「…絶対……誰にも言うんじゃねぇぞ」









俺は何を言ってんだ?

なになんかに言おうとしてんだ。

だめだ。

言うな。

相手はじゃねぇか。

俺のこと嫌いなに言っても楽になんてなんねぇだろ。










楽になんて。








「言うわけないでしょ。約束する」










ど畜生。

勝手にしやがれ、俺の馬鹿野郎。



口が開いちまうなんて知るかよ。












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