涙が出てきた。

人前で泣くとかテニスで負けて悔しい時や、なんかケガして痛ぇ時だけだって思ってた。





俺の心は、さっきまでのキリキリして張りつめて爆発しそうに痛いのとは全然違くて、

種を植えられて花が咲き、その花がまた種を育み、花が育ち、いつしか咲き乱れるというかのように、暖かで穏やかで満たされていた。







姉ちゃんでさえも俺をこんな気持ちにさせたことはない。

初めて感じた。

この気持ちを何て表せばいいのかわからないけれど、少なくとも友情とかでも恋でもない。

をどうこうしたいなんて思わない。

ただ、の側に居れば俺はちゃんとした人間で居れるかもしれない。

俺がバカしないように、見守ってくれていると思う。

もっと別の。深い何か。








ただ、今俺は「幸せ」を感じていることだけは確かだった。









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