雨は嫌いじゃない。
厳密に言うと豪雨は嫌いじゃない。
強い雨粒を受ければ全てを洗い流すように、俺の身体を浄化してくれる。
そして、受けたときに走る痛みが、俺への罰。
俺の罪。
滴り落ちる滴と共に罪諸とも落ちて行く。
小雨は気休め程度に降るばかりで、贖罪にもなりやしない。
むしろ、身体に罪が浸透して、自分の暗い部分に飲み込まれて行きそうで怖い。
このじめじめしている割に生暖かい空気だってそうだ。
罪をさらに与えられているように、暖もりを肌で吸収しているようにねっとりと、こびりつく。
今日はそんなしびしびとした雨の日。
湿度は80パーセント、気温は上昇中。
長袖のカッターシャツの上にベストなんて着てられない。
蒸し暑い一日だ。
俺はカッターのボタン全快でこんにちはTシャツさん状態。
学校指定の腰パンスラックスをロールアップさせて暑さを凌ぐ。
下敷きなんて勉強道具、俺は持って来てねぇから。ノートを使って身体に涼を取り込む。
ギィギィなる椅子の上に三角座りして。バサバサとノートを扇ぐ。
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